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2008年10月26日 (日)

KHM 作:西沢秀二先生 感想&考察

ちゃんと買って読みなさいよ!
読まなきゃ死刑だからね!

KHM(カーハーエム)

教会に所属する「魔女狩り」の使徒であるヘンゼル(兄)とグレーテル(妹)のお話。
ヘンゼルは1ページ目でKHM15お菓子の家の魔女アンネリーゼの手によって殺害されるので主人公はグレーテル。ガンガンフレッシュの新人作品のほとんどはタイトルに主人公かそのパートナーを描いているのに対してKHMではアンネリーゼが表紙を飾っている。グレーテルよりも感情描写が濃厚になされているので実は魔女である彼女が主人公なのかもしれない。

KHMとはグリム童話(ドイツ語:Kinder und HausMärchen)が由来のようですね。調べてみて初めて分かったのですがグリム童話には作品ごとにナンバーがつけられている。

KHMの15番とは「ヘンゼルとグレーテル」。兄弟が森に迷い込んでお菓子の家にたどり着くアレですね。ちょうどこの作品と一致しています。

兄の仇である魔女に足の骨折の治療をしてもらったグレーテル。
魔力で傷や欠損部位を再生できる魔女の家に人間の治療道具があったり、人間の治療の仕方を知っていたのは魔女が元々は人間だったから?それとも包帯などは襲って殺した迷子の遺物で、知識は部屋にある並べられた本から学んだ?

アンネリーゼは肯定していませんでしたが、回想で隠れて子供たちを観察していたり、子供たちが手掴みでケーキを食べていることからヘンゼルの言うとおり、魔力を込めたお菓子で家の中まで誘い込んで殺していたというのは事実のよう。

ヘンゼルはアンネリーゼが自分を騙して油断させておいて殺す気なんだと疑い、尻尾を掴もうと魔女を挑発するようなことをしていますが、その行為に後悔のある魔女は黙るだけ。
ヘンゼルは兄の前ではいい子演じるけど女友達の前では女王様になってるタイプだな、間違いない。

KHM46男魔女フィッツェ・フィッチャー。
グリム童話の46番はフィッチャーの鳥。まっしろ白鳥。自分の妻にするために小娘をさらい試練を与え、不適格だと判断するとバラバラにして殺していた魔法使い。
KHMでは魔力で身体(左手のみ?)を凶器に変えることができ、その爪は分厚い壁でさえ切り取ることができるようです。

名前と住所は知っているようですが魔女同士には同属意識はあり?グリム童話のナンバー通りだと200人以上の魔女がいるようですが。人間の倫理とは別に魔女としての倫理もあるようですが、獲物の横取りや揉め事はご法度ではない模様。

「私も…みんなとニコニコしていたい!死ぬときは誰かに泣いてもらいたい!!」

手首を切り落とされてもグレーテルを逃がすために必死にフィッチャーを止めるアンネリーゼ。

「魔女狩り」の武器。グレーテルは弓矢。ヘンゼルのは巨大なハンマー。
わざわざヘンゼルの武器を借りたのは近距離だったから?弓矢では致命傷を与えられそうになかったから?ラストに弓矢を背負ってないことからグレーテルの弓矢も本から取り出すタイプのよう。もしかしてグリム兄弟謹製の「魔女狩りの書」は二人で一冊だったのだろうか。

身を犠牲にしてグレーテルを救ったアンネリーゼ。
「兄を殺して…気持ちよかった?」グレーテルは勘違いしていたことに気付きます。魔女は快楽のために人を襲い殺しているのではなく、人の血肉から魔力を吸い上げないと生きていられない種族だということに。教会では魔女の能力や種類はちゃんと把握しているようですがなぜ魔女が人を殺すのかはわかっていなかった様子。またはわかっているが魔女殲滅を効率化するために同情を誘うような不必要な知識を使徒に与えていないのかもしれない。

「人間を一人つれてきてもらえますか?」

自分の呪われた運命をグレーテルに思い出させるように冷たく言い放つアンネリーゼ。この呪いから解き放つために敢えてグレーテルを突き放します。魔女に生まれてしまったために背負った、殺したくないのに人を殺さなければ生きられないという呪いの悲しさに涙を流すグレーテル。

「ありがとう」

グレーテルの涙によって魔女ではなく、人のように生き人のように死にたいという願いが実現したアンネリーゼは人としての幸福に満ち天に昇って行くのでした。

… 

初読の感想は( ^ω^)絵超上手いだったのですが、読めば読むほど考えれば考えるほど深くてのめり込める物語でした。ケーキを食べるグレーテルに萌えても良いし、花を出すアンネリーゼに萌えてもいい。

こんなに面白い漫画をありがとう。
これからも西沢先生を応援します!

◆一言メール返信

ちなみさん
7周年おめでとうございます~
しかしもう7年ですか…早いものですね。

>KHM感想
つづくwwいったいなにが…(・ω・)

ありがとうございます!ええ、早いものですよ。因診さんOYOUさんとの付き合いは6年くらいになりますかね。

いやあ、あまりにも良かったので言葉をまとめるのに時間がかかってしまいました。
因診さんのプロデヴューも持ってますからね(笑)

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コメント

ぶわあああぁぁぁん!!(泣き声
こんなに考察ありがとうございます!!
まとめ方が良いから、超いい話に見える!!(ぁ
いやこの考察、著者たる僕のそれよりも深いと思います(駄目

>調べてみて初めて分かったのですが
調べて下さっている…!嬉しい限りです。
これを機に、ちょっとでもグリム童話に興味をもつ人が
増えてくれたらいいなあなんて言ってみたり…

>魔女の家に人間の治療道具があったり、
>人間の治療の仕方を知っていたのは魔女が元々は人間だったから?
アンネは昔ドイツにいたらしい、
クロイターヘクセ(薬売りの魔女)の血を
軽くひいているんじゃないかという裏設定があるんですが
正直なところこの辺はあんまり設定を煮詰めてなかったので
見切り発車だったかもしれん…(汗
あと、魔女の人達も骨折を治す際は
念のためあて木なんかはするのかもしれません。

>回想で隠れて子供たちを観察していたり
そう言われるとちょっと怖いコマに見えるww

>兄の前ではいい子演じるけど女友達の前では女王様になってるタイプだな
なんという萌え設定www
兄妹の絡みをちょっとも描けなかったことに
後悔の念がわいてくる…!!

>左手のみ?
全身変えられますw初回稿ではもっと色々やってたんだけどなあ^^;
とりあえずは利き手の左手からという流れに。

>名前と住所は知っているようですが魔女同士には同属意識はあり?
>グリム童話のナンバー通りだと200人以上の魔女がいるようですが。
この辺も見切り発車というのが正直なところ(汗
しかしまあ、詳しいところは長くなるので割愛しますが
グリム童話に準拠するのなら、その中で魔女の"家系"であるのは20人程度。
そんくらいしかいないので、お互いのことは大体把握してるのではないかと。
他の180ほどのお話にも、大体悪人というのは出てくるので
魔女狩り全盛の当時、教会や人々は彼らのことも
「魔女」として処理していたのではないでしょうか…

>獲物の横取りや揉め事はご法度ではない模様。
フィッチャーの言う「他人」には、魔女も含まれるので…^^;

>弓矢では致命傷を与えられそうになかったから?
大方そのとおりです。
大振りで当てにくいハンマーを
弓矢で上手く援護するというのが基本的な魔女狩りスタイルw

>もしかしてグリム兄弟謹製の「魔女狩りの書」は二人で一冊だったのだろうか。
…right。その通り。よく気付いたね。

>初読の感想は( ^ω^)絵超上手いだったのですが、
>読めば読むほど考えれば考えるほど深くてのめり込める物語でした。
どちらも超ありがとうございます!!
いや皇翼さんのまとめ文章も本当にステキで
皆さんの中のこの作品の評価がだだ上がりしそう…
僕の中でも!(なんか間違ってる
ほんとありがとうございますっっ

>ケーキを食べるグレーテルに萌えても良いし、
>花を出すアンネリーゼに萌えてもいい。
あくまで萌えも拾うwwwww

>因診さんOYOUさんとの付き合いは6年くらいになりますかね。
そんなに?…そんなにかあ。
その間、皇翼さんのステキ著作は何本も読ませていただいたというのに
こちらはショートショート以外の、
ちゃんと完結する漫画を読んでいただくのは
初めてだったというのはどうかと思いますが^^;
今後も頑張っていきますー

そして、余談になりますがブログ左下
現在の検索フレーズランキング……

1位:西沢秀二 OYOU
2位:チルノ エロ
3位:ハサハのあのね

なんと言うありがたさ…!!
1位も良いけど、2位と3位も素晴らしすぎる!!(ぁ

なんて言うかもう、総合的にありがとうございます!!
それでは、メチャ長いコメント失礼しました…
トラ猫さんの生ペーパーが超羨ましい、西沢ことOYOUでした(何

投稿: OYOU@西沢 | 2008年10月28日 (火) 09時09分

うはwwどうも長いレスありがとうございます嬉しいどす。

まとまってないですよー。いや漫画としてまとまっているからまとまった感想が書けるのですよ!(笑)読み切りにしておくには惜しい話だなあ。

かなーり細かいところにも突っ込んでますが連載されるとしたらその時どうなってるか、みたいな考察なので見切り発車でも問題ないですよw
今思えば、ジャンプだと読み切り→同じ内容で連載と続きますがガンガンはどうなるのか知りませんでした。作者次第なのだろうか。

いい作品ができるには描き手の情熱・技術とそれを受けて味わった読者の感想・意見が必要だと思うんですよ。
料理が美味しい料理であるためには料理人と美食家が必要なように。OYOUさんが必要なら私もがんばります。

確かに完結する話は初めてだったのかもしれない(笑)

ココログって検索引っかかりやすいんですかねw
あっ、いや、別に検索に引っかかりやすいようなテクを使ってブログ書いてるわけじゃあないですよ、ええw

次回もがんばってください!(まとめ

投稿: 皇翼 | 2008年10月29日 (水) 22時33分

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